恋に近いような何か

3月のライオン前編を観てきました。


原作も読んだしアニメも全部見た。映画は良かったし、語りたいシーンはひとつしかないです。もし観たという人と一緒に飲みに言ったら、話したいことが山ほどあるんだけどとりあえず。


その問題のシーン、映画館では笑いが起こってたけど、わたしの頭の中はパニックだった。
だって初めてだから。
28にしてまぎれもない初体験。


「島田八段と後藤九段のおやつタイム」


今まで生きてきて、干し柿にモザイクかけようと思ったことがあっただろうか。いや、ない。干し柿なんて地元で軒先にぶら下がってるイメージしかなかった。


それが何ということでしょう。
かっこいいおじさんが汗だくスーツで干し柿食べるとあんなに色気があふれ出るものなんですね。
つばを飲み込む「ごくり」という音が隣の人に聞こえるんじゃないかってひやひやした。
「何もおやつタイムまでガン飛ばさなくても」みたいな映画の台詞で、ふと我に返る。


「(あっ、あれってケンカしてたんだ……見つめあってるようにしか見えなかった……」


干し柿食べてる島田八段と豆大福的なものを食べてる後藤九段がで見つめあいながらもぐもぐしてる姿。公園で雨に濡れたエロ本を見つけてしまった小学生のような衝撃。


「(これって、見てはだめなやつじゃないか……?)」


干し柿にはそれくらいのポテンシャルがあった。わたしにとってはR指定。島田八段が痛そうに呻くたびに、わたし、気が気じゃなかった。心臓がどきどきした。


島田「生きてるって気がするぜぇ!」
み「(わ、わたしも……!)」


胸に手を当てる。生きてるって気がした。
あと神木くん演じる桐山零くんが角度によって好きな人に絶妙に似ていて少しつらくなった。ありがとう島田八段。良い薬です。


島田八段だけでなく、この映画には様々な色気のある年上男性がたくさん出てきて、
「あしたは起きたらきっとお肌がつやつやしてるだろうな」と、桜の花びらが舞い散る夜の帰り道で思ったのでした。


後編も楽しみです。