運命を解き放つ(「私の夫と結婚して」「ブラッシュアップライフ」感想)
やり直す系ドラマ二本立て。
【私の夫と結婚して】
通勤でたまに一緒になる人が先月あたりに見ていた韓国ドラマ。プライムビデオで見られます。主演はわたしが今一番好きな女優さんです。
クズ夫と結婚して病気になってクズ夫とその不倫相手に殺された主人公が、死んだらいきなり10年前に戻っていて自分の運命を変えていく物語。
韓国ドラマだけど有名なマンガの実写化で、LINEマンガで原作を読んだ人も周りに少しいたので知名度は高そう。
タイムリープものなんだけど、結構残酷な設定。現実を変えようともがいても起こることは起こる。つまり不幸の総量は変わらないから、その不幸の対象をずらして他人に引き受けてもらわないといけない。
原作はだいぶ前にLINEマンガで読み終わっていたので、あまり期待せず見た。そしたら冴えない主人公がファッションやメイクで変身するシーンで度肝を抜かれた。実写化大成功だと思った。元々綺麗な女優さんだけど非の打ち所がないというか完璧な変身だった。これだけでも実写化した意味がある。美しすぎて1週間くらい待受にしていた。待受じゃなくて今はホーム画面と言うのか。
主人公はスパダリ財閥御曹司に見初められているという少女漫画ご都合展開かと思いきや、それと釣り合うほど現実が厳しすぎる。良い人にばかり不幸が起きる。スパダリ財閥御曹司の力を持ってしてもというか、スパダリ財閥御曹司に見初められたせいで降りかかる不幸もかなりあって、途中は苛々してきたところもあった。不幸をうまく他人に擦り付けて結末を見届けるまで安心できなくてハラハラした。
主人公以外にもタイムリープしている人がいて、タイムリープものあるあるなんだけど、ループしてきたもの同士がそれを確認できるシーンがとにかく好きなんだよね。これは見て確認してほしい。
なんとなく想像できる結末というか、勧善懲悪モノで悪者は地獄に落ちてスッキリハッピーエンドなんだけど、あまりにも残酷というか悪者への容赦がなさすぎてちょっと引いてしまいそうなくらいだった。
登場人物ではヒヨンさんが好きです。おいしいものをおいしそうに食べていつも楽しそうだから。
あとタイトなジーンズにねじ込むあのBoAが出演してます。(めちゃくちゃネタバレだけど知って見た方がたぶん面白いと思って敢えて書いてます)
【ブラッシュアップライフ】
人にすすめられて激推しされまくってもう見ないと面倒なことになりそうだったから見たドラマ。
まずこれだけは言いたい。
バカリズムさんに足向けて眠れない!!!うちから見てどっちの方角に住んでるんだ?西かな?本っ当に申し訳ありませんでした!!!最高です!!!ありがとう!!!!!
ループものの最高傑作はシュタゲだと信じて疑わず今まで生きてきたけれど、ブラッシュアップライフを見終わったらもう戻れない。芸人さんが書いたドラマだからそれなりかなとか思って今まで見ていなくてすみませんでした。面白すぎた。わたしの中ではループもの最高傑作です。表彰させてください。おめでとうございます。
1話の台詞がくどすぎて坂元裕二でもこんなに台詞を誇張して盛らないだろと思ったけど、そこを超えてしまえば快感しかない。それぞれの台詞にも些細な出来事にもちゃんと意味がある。
平成のあの時代を子どもとして生きてきたアラサーからアラフォー層に刺さりまくるであろう平成レトロ盛りだくさん。たまごっち。スケルトンのゲームボーイアドバンス。シール帳。ジャスコ。ミクシィ。ごくせん。ポリリズム。粉雪。オレンジレンジ。所々のBGMもエモすぎる。
中盤から主人公の進む道が劇的に変わっていくところもいい。面白さが回を追うごとに更新されていく。ドラマを見ているだけでこんなに楽しいことがあっていいのだろうかと思った。このドラマをすすめてくれた人に感謝してもしきれなくて、見ながら感想を実況として一方的に送りつけ、まだそこならもっと面白くなるから覚悟しろと煽られ、そして見終わってすぐ感想を怒涛の勢いで送りつけ、会った時にもカフェで語った。それでも語り切れなかったので今ここに書いているという顛末。ねえ誰か聞いてよ〜。
わたしのことを昔からよく知っている人になら分かっていただけると思うのだが、途中の「ドラマ製作のターン」が最高にドラマオタクの心をくすぐって面白かった。懐かしい好きだったドラマが次々とたくさん出てきた。それな!の連続。シン・ゴジラ好きな人もたぶんあの演出は好きだよね。
そしてキャストが豪華。無駄に豪華すぎる。無駄ではない。必要な豪華さだ。わたしの中のDIO様は黙っておれ。
まず主演以外の共演者が主演級の豪華さなのに目を見張る。これで驚くのは早い。中盤からチョイ役で主役級の俳優陣がどんどん出てくる。最終回まで見逃せない。主演が何人もいるような感じ。キャスティングに結構お金かけたのでは?と思って画面の豪華さにもありがたさが止まらなかった。キャストが豪華で嬉しいなって感想を持ったのは映画「帝一の國」以来だった。本当にバカリズムさんありがとうね。こんな素晴らしいドラマを。もうね、途中からキャストとして出てきたバカリズムさんを、感謝の気持ちで拝むようにして見ていました。
このドラマを見た後の自分に残った大きなもの。「徳を積む」という価値観だった。日頃わたしが心掛けていたことを言語化すると「徳を積む」だったのかと思った。言語化されてとても嬉しかった。日常生活にストンと落とし込めた。嫌なことがあった時、いいことをしたのか?と思った時、ふと思い出す。
他人にドラマをすすめることはあまりないけれど、このドラマだけは(あと現在の朝ドラ「虎に翼」も!)見ないと人生の半分まではいかなくても数%かは損するのでは?と思わされるほどの出来だった。見るというより主人公の人生を自分が体験したように感じてしまったドラマだった。映画以外でこうなってしまうことはなかなか無い。何度声出して笑ったことか。手を叩いて喜んだ時もあった。最終回でヤッター!と叫んだ。
それでもドラマを見るかどうかは自分で決めるのが良いと思うのでおすすめはしません。ただこのドラマを最後まで見た人はわたしと2時間は語れるでしょうね。いや3時間?4時間いけるか。カラオケのフリータイムでドリンクバーで語ろう。微妙と思った人も2話の最後まで見れば3話を見ずにいられないでしょう。そして3話も最高すぎるから3話切りもできない。ハッハッハ。誰もが思う壺です。手の平でひたすら踊る快感よ。