まず始めに。わたしはこの映画を映画館で2回見ましたが、人に薦めるかと言ったら全く薦めません。
というのも、一度目は直前まで「ゴジラかゴールデンカムイにしない?」と粘ってもどうしても見たいと連れて行かれて、「良かったけど微妙だったね〜」「えっ!泣くところあった?どこで泣いたの?」と言われ、翌日「やっぱりゴジラ面白そう!ゴジラが良かったかな…」と言われたからです。お前が始めた物語だろうに。でも人によって刺さる映画は違うのよ。
物書きを仕事にしていないから1円も入らない。それなのに、腰痛を必死で我慢しながら久石譲のピアノを流し、これを書いている。平日の夜中に。もうすぐ日付が変わる。明日のことを考えるなら今すぐ温かい布団にもぐり込むべきだろう。じゃあそうしないのはなぜかって?感受性が大爆発しているオタクは、映画の後に「語り」の時間をしっかり確保しないとプスプス燻るんだよ。そして寝たらこの気持ちを忘れてしまうってことも知ってる。それと、わたしを2回も映画館に運ばせる映画は数年出ないことを自分で分かっているのよ。「感想ッ!残さずにはいられないッ!」お気付きでしょうが、ここまで全部自分語りです。映画の内容ほぼゼロ。そしてここからも自分語りです。映画の感想という体をとってはいますが。そこのところお忘れなきよう。
はい映画見たね。映画館の近くのカフェに入ってわたしがカフェモカ、あなたが何らかの飲み物を注文したね。席についたね。始まるよ。
(※盛大なネタバレゾーンは畳みます)
「あのさ、青サギの声。ポスターにいるアイツ。前情報無しで中の人が誰だか分かった人いるわけ?」
ぽコピーのビーナッツくんかと思ったよ。初めて聴いた時。2回目見た時も「(だめだ中の人誰だか分かってても分かんない…目をつぶっても無理だ…)」ってなった。
上手すぎる。いい加減にしてくれ。出演することだけは分かっててもどの役だか分からないまま見終わったわ1回目…。頑張って探したりはしなかったけど。そんなに才能があってどうする。余ってるだろ才能。おすそ分けしてくれよ。前世は絶対英雄じゃん。国とか軽く救ってないとこうはならないはず。
「てか、ババアかわいかったよね?わたしババア見るためにこの映画見に来たのかと思った」
ジブリ名物と言ってもいいババアのキャラクター達。愛を込めてババアと呼ばせてもらう。ポニョの時にババアはかなりの数を見た気がするけど、今回はとっても濃かった…。何が?って声優がだよ!エンドロールちゃんと見た?座席ごとひっくり返りそうになった。どのババアが誰なのか未だに分かりゃしないけど、あたしゃ梅干しみたいなフォルムがまん丸いババアが特に好きだったね…。あなたの推しババアは誰?
(※ここから下はネタバレありなので畳みます※)
【すぐ分かった声優】
ネタバレ無しだと声優の意外さしか書くこと無かったんだけど、ナツコさんはすぐ分かった。あなたのドラマ何本見てきたと思ってるんだい?という感じ。お父さんなんかもう出オチですよ。あなたハウルって言うんじゃなかった?きっちり特別出演でしたね。
【ババア〜実家のような安心感〜】
あとババア軍団の歩行シーン笑わなかった人いるんですか。短いシーンでこんなにぬるぬる動くいろんなパターンのババア見せてもらっていいの?って感じ。ババアは最初から怪異慣れしてることが明らかなんだけど、もうとなりのトトロでしかなかったね。となりのトトロってわたしの一番好きで何十回も観てる素晴らしい映画のことです。
【オタクの好きなやつ】
大量の本。天井近くまで壁にぎっしりと詰まった本。しかも不思議な世界への導入部分で。こんなのって無いよ。好きでしょもう。図書館といえば?NieRですよ。世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドですよ。はいはい大好き大好き。わたしの大好きなやつ。
【ゾルディック家】
なんかキルアの爺さんっぽい人出てきて笑ってしまった。大叔父様のことです。キャラのデザインがあまりにもファンタジー。このイメージのせいでわたしはHUNTER×HUNTERに引っ張られながら鑑賞する羽目になります。
【火の魔法】
キリコさんの杖から出る火、円を描くところ。火が魔法みたいで綺麗。でも…
「この円の中入ったら ○す」
キルアしか出てこないんだ。助けてくれ。てかこの映画複雑なメタファーの考察とかできない。オタクの記憶をフラッシュバックさせることしかできないのよ。
【ツーブロック】
眞人の絆創膏とれてサイド刈り上げてツーブロックみたいになってるの良いですね。中性的で美しい顔とヤンチャな髪型の組み合わせはなかなか良いなと思いました。それだけです。ちなみにジブリ男子の見た目はハウルが好きです。美しいから。
【圧倒的可愛存在藁藁】
ワラワラお前かわいいな…かわいすぎるんだよ…。ジブリ公式Twitterが上げてた画像で数ヶ月前に見た後すっかり忘れてて、大画面で登場した時あまりのかわいさに胸がいっぱいになって「ワァ…!」って小さい声で言ってしまったもんね。2回目でも笑顔不可避。中の人が誰か分かってて見るとさらに面白い。グッズ欲しすぎる。ワラワラに見守られながら仕事したい。
わたし「(キーボードカタカタカタ)」
わたし「(カタカタカタ ターン!)」
ワラワラ「ワアアアアアアアア!」
これが平和ってやつじゃないですか。
【藁藁風船】
「生まれるのさ、上で生まれるんだよ」
ワラワラって命だったんだね。息を吸い込んで膨らむところポケモンのプリンちゃんみたいでかわいかった。あのシーンだけあと1億回見たいな。食われるとこで2回とも泣きそうになった。アァ…。
【ババアこけし】
キリコさんが笑う時後ろでババアこけし達もカタカタ動いて笑ってるみたいになってるの仲良しで良い。和んだ。
【棒読みのヒミ】
ヒミだけ圧倒的棒読みだったんだけど、そこが良かった…。異質な存在って感じで浮いていて、ゲームの中の世界みたいでとてもキャラクターに似合っていた。登場したとほぼ同時に母だって分かってしまうし「お母さんだよ!お母さんだよ!」って愛嬌たっぷりでもカロリーが高くなってしまうので、感情が無い感じの語りが良かった。初音ミクの聴いて良いなと初めて思った時の気持ちと似ている。
【石、契約】
あの空間に貼り付けられたようなどでかい石を見て、皆は何を思ったのだろう。わたしは「出るアニメ違くない?」って思った。Fateとかのやつじゃないかアレは。禍々しすぎる。あの輝きあの照り。闇が深すぎる。しかも石と契約て。H×Hに出そうな大叔父がFateみたいなこと言ってくる。というか、星がいっばいのシーンやヒミが火の中から現れるシーンでも、わたしにはセイバーの幻影が見えていたのだ。そこに居るはずのない彼女が。そういえば大叔父様って宝石つけてるよね。宝石…契約…血統…。
【インコインコインコインコインコ】
インコのシーンは「インコ、食事、凶器、インコ、インコ!」って感じで、その他のことを何も考えさせない、圧倒的インコの物量で頭がインコに押しつぶされた。ちなみに1回目で眠くなったのここです。もう一生インコしか見られないのかと思った。大量の調理インコでリトルナイトメアを思い出した。食うことしか頭にない感じのおぞましい大量のインコ。もうインコはお腹いっぱいです…。2回目は音響良い映画館で見たので、インコ大王のところで周りのインコが興奮して大合唱してる時、四方八方から飛んでくるインコの声がうるさすぎて反射的に「うるさい!!!」って叫びそうになった。危ない。
【ヒミ】
「大叔父様、ありがとう」って言った瞬間、ヒミは泣いたけどわたしも涙が溢れてた。
「眞人のお母さんになるんだからな!」「素敵じゃないか、眞人を産むなんて!」でまた泣いた。ここだけあんまり棒読みじゃなかったのズルい…。2回目見た時に冒頭でお母さんが火に包まれたまま眞人を呼ぶところで「ああこれは助けを求めてたわけじゃないんだな、助けを呼んでいると思ったのは眞人の妄想だったんだ、眞人が助けを呼んでたのかな」って思って救われた。火で死ぬのを分かっていて眞人を産む人生をヒミが選択したことが救いだった。
【ペリカン】
最初にゼルダの伝説ブレスオブザワイルド的なアングルの風景の後に突然金ピカの門が現れ、大量のペリカンに押された時には予想もしなかった。ワラワラを食った時は許さん!!!!!と思った。
…まさか、ペリカンに泣かされるなんて。
「ワラワラを食うためにこの地獄に連れてこられたのだ」と傷ついたペリカンが語った通り、ワラワラが飛ぶ→ペリカンがワラワラを食う→ヒミがワラワラを焼くのがルーティンになってる。どんなに高く遠く飛んでもそのループから逃れられない。
崩れた塔から無数のペリカンが飛び立った時、ああペリカンがやっと飛べる世界に来られたんだと思って、ループからやっとの思いで逃れたペリカン、飛ぶことすら忘れてしまったペリカン、ループから抜けられず傷ついて埋められた無念のペリカンのことを思って涙が溢れてきた。シュタゲの最終回を思い出した。
ちなみに「(映画の)どこで泣いたの?」という質問に「最後、ペリカンが飛んだところ」って即答したら、ちいかわのうさぎや猫ミームもびっくりな「ハァ?」の顔されました。
【友達】
眞人は友達なんか要らないと思ってたのかもしれないけど、大人の前ではかしこまったような喋り方をしていても青サギの前だとからかってみせたり子どもっぽくなれるのを見て勝手に微笑ましく思っていたら、
「友達を見つけます。ヒミやキリコさんや青サギのような」
「あばよ、友達」
両思いだったのか…(´;ω;`)
青サギお前「友達でも仲間でもない」って言ってたじゃん…。
【エンドロール】
ウーウウウーウー ウー ←米津玄師の主題歌のイントロ
ウッウッ…グスッ…ウッ… ←わたし
名だたる豪華声優陣の中で燦然と輝く「滝沢カレン」の文字。正月映画のトットちゃんにも居ましたよねアナタ。
そして作画協力「ufotable」…ッ!ここまでの全てのモヤモヤの謎が解けたような気がした。
この道が続くのは
続けと願ったから
溢れる涙を拭い終わる前に短いエンドロールは終わってしまった。実写映画で良くある主題歌だけじゃなく何曲もサントラ使う気が狂うほどの長さのエンドロールが恋しい。気がつけば十数人居た観客の中で最後の一人になってしまっていた。
「この傷は自分でつけました、ぼくの悪意のしるしです」
悪意のしるしはこれからも生きていくというしるしになったように感じた。